刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
「ひゃあっ早い!ずおくん重くない?大丈夫っ?」
「主一人くらいどーってことありませんって。さてどこに逃げましょうか、まだ追ってきてます?」
そう言われ鯰尾くんの肩越しに後ろを見ると、小さい亀甲さんの姿。亀甲さんの前方には骨喰くんが足止めしようと動いているのが見える。
「ずおくんっ骨喰くんが足止めしてくれてるっぽいけど、まだ来てるよぉっ」
「中々しつこいですねっ、かなり走ったんですけど!あ!兄弟があそこにもっ」
ずおくんの視線の方を見ると後藤くんと秋田くんが見えた。池の鯉たちに餌をあげているようで、水面には物凄い勢いで鯉たちが口を開いて顔を出している。
急いで後藤くんの傍に駆け寄ったずおくんは、「取りあえず主を連れて逃げて」と言いながら今度は後藤くんに私を託す。
「ええええ、さすがに重いでしょ!?自分で走るよっ!」
「兄弟の中でも俺は背が高い方なんだ、なめてもらっちゃ困るぜ大将!」
確かに藤四郎兄弟の中では大きい方だとは思ってたけど、まさかここまで軽々抱き上げられるとは思わず、吃驚してしまうと同時に体は大丈夫なのかと心配になってしまった。
だけど後藤くんはどこか嬉しそうな上に楽しそう。