刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
「ぼくは自分の目で見たものしか信じない…それに、大倶利伽羅?どんな刀かは知らないけど、これくらいの神気じゃご主人様がその刀の物だって言われても信じられないね」
「なら、他の刀剣にも聞いてみろ!本当だと分かる」
「君の仲間がなんて言おうとこの目で見たものしか信じないって言っているだろう?だから、ご主人様!!さあ、ぼくの物になるよね?なるだろう?なると言っておくれ!」
は、話が通じない…
大倶利伽羅さんと体を重ねたことで私と大倶利伽羅さんは縁が繋がっている。だけど、それが分かるのは縁を繋げた大倶利伽羅さん自身か、石切丸さんや太郎さんのような神刀だけだと聞いている…
亀甲さんにその事を伝えたところで、意味をなさないのは容易に想像できる。
一体どうしたら良いものかと考えながら、じりじりと詰め寄ってくる亀甲さんから後ずさりしていると、「とりあえず逃げるぞ!」と鶴丸が私の手を引っ張り鍛刀部屋を飛び出した。
鶴丸に手を引かれるまま走り出すも後ろから追ってくる気配。「ふふふ……」と気色の悪い笑い声まで聞こえてくる。
どうしよう!!
大倶利伽羅さんが修行に出てしまって寂しい寂しいって思いながら鍛刀してしまったせいで、あんな個性的な刀、主に執着してしまっている刀を顕現してしまったのだろうか。