刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
「ご、ご主人様~~!ご主人様をぼくだけのご主人様にしてもいいかい!」
「へ?…ご、主人、様…?…ひぇっ!…きゃあああああっっ!!!」
何故か鼻息を荒くした亀甲さんが頬を赤らめながら抱きついてきて、私の頭に頬をすりすりと擦り付けている。悲鳴をあげるも突然の事に体は硬直してしまって動かない。
すると耳元にハアハアと熱い息がかかった。更にフーッと息を耳の穴に吹きかけられる…
ゾワワワワ……
「ひぎゃああああっっっ!!」
バチーーンッ
つい平手打ちしてしまった。抱き締められ息を吹きかけられたことに驚いて、離れようともがいても離してくれないからつい頬を勢いに任せて叩いてしまった!
掌から叩いたときの感触が鮮明に伝わり、付喪神様に何てことをしてしまったんだ、とサーッと体から血の気が引いていく。決してわざとではなく事故と言った方が正しいのかもしれないけど、大変な事をしてしまった。
当然横にいる鶴丸も驚いている様子。
なのに…
なのに…
亀甲さんは「ああ…最高だよ…」と更に頬を上気させて天にも昇るような顔をしていた…因みに眼鏡はさっきの衝撃でずれてしまっている。