刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
久しぶりの初めましてさんを前に鶴丸が見守る中、深呼吸してから顕現作業を行うと、眩い光と共に桜が舞い一つの形になっていった。
――何度見ても桜が舞うこの瞬間はとても綺麗で圧巻な光景だ。
「ぼくは亀甲貞宗。名前の由来?……ふふっ。ご想像にお任せしようか」
そこには白いスーツにピンク色の髪、眼鏡姿の初めて見る刀剣男士がいた…
鶴丸とは違った感じの儚き美青年に見える。
「は、初めまして…この本丸の審神者です。これからどうぞよろしくお願い致します。えっとこちらは近侍の鶴丸国永です」
「ハア…ハァ…ハア…」
「…?」
亀甲さんを見ると、何故だかわからないけど苦しそうに息を吐いていて眼鏡が曇っていた。何か不具合でもあったのだろうか…
ハッと鶴丸と目を合わせると、鶴丸も何が起こっているのかわからないといった表情で目をぱちくりさせている。再度亀甲さんの方に目を向け声を掛けた。
「あ、あの…大丈夫ですか!?どこか苦しいのですか!?眼鏡が凄い曇ってますけどっ、私何か不手際でも…」
「ああ、これは堪らない…ハァハァ…我慢できないよ」
「はい?」
「き、きみ…逃げた方がいいぜ…」
「に、逃げる???」