刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
「ははっ、そんな顔しても全然迫力ないぞ!」
じんじんする頬を抑えながらジロリと睨んでみたけど憎まれ口を叩かれた。
「うぅっ痛い…鶴丸の馬鹿…あ、この後…そうだ、刀装…だったね」
「おいおい、しっかりしてくれ…」
鶴丸は呆れたように頭を掻いた。
なんだろう…
大倶利伽羅さんが数日本丸にいないってだけでこんなにも寂しい。心にぽっかり穴が開いたよう。普段から遠征・出陣でいない時なんてザラだったけど、姿すら見ない日はなかったから…
しっかりしないと駄目なのに…
こんなんじゃ皆に呆れられちゃう…
それから鶴丸が沢山金の刀装を作ってくれて、二人で喜んでいたら偶然通りかかった青江が目を輝かせていたので「欲しい?」と差し出すと、幸せそうに両手に抱え持って行った。
そうこうしている内に鍛刀が完了している時間が来た。急いで鍛刀部屋に向かうと…そこには見たことのない刀が。
「鶴丸…これ、打刀だよね?でも見たことない…」
「そうだなあ…確かに打刀だが初めて見るな。この本丸にはいない刀だ」
「新しい刀剣かぁ…なんだか緊張するね…」
てっきりここにいる打刀の誰かと被ると思っていたので、目の前にある刀に少し緊張しつつも心が弾む。