刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
厨の方からは食器をカチャカチャと洗っている音が聞こえてくる。今日の食器洗い当番は、厚くんと獅子王くん、それと同田貫さんだったかなぁ。
歌仙が作ってくれた形のいいだし巻き玉子を口に含むと、じゅわっとお出しが溢れ出て出しの香りが口一杯に広がる。
いつも美味しいご飯を作ってくれる食事当番さんに感謝しつつ、何とも幸せな気分で美味しいご飯に舌鼓をうった。
ご飯も食べ終わり、気を取り直して真面目に書類を片付けていると、鶴丸に「今日は鍛刀と刀装作りの予定があるぞ」と声を掛けられた。
鶴丸にしては珍しく真面目に仕事をこなしている。いつもは退屈だとか用事があるとかなんとか言ってさっといなくなったりするのに、大倶利伽羅さんがいないから?私に気を使ってくれている?
「あ、うん。そうだったね!忘れてた…鶴丸ありがとう!この書類片付けたら鍛刀部屋行こうか」
「ああわかった。しかし忘れるなんてきみにしては珍しく抜けているな」
「う、ごめん…」
鶴丸は目を丸くしながら私を見た後珍しく溜め息を吐いた。
「全くきみってやつは…寝坊するし、他の男に抱きつくし…伽羅坊がいないだけでこうも変わるとは…」
「あっあれは寝ぼけてて間違えたの!!」