刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
抱えている何かがぱっと離れていき、吃驚して目を開けるとぼやける視界に白い影…
え…??
カッと目を見開くと、そこには褐色の恋人ではなく、真逆の儚げな真っ白い美青年の姿があった。
「はえっ?、きゃ、もごっ、んむぅー!」
あまりに驚いてしまい、声を上げてしまったらすぐさま口を鶴丸の手で塞がれた。
「シィッ!きみが起きないから起こしに来ただけだ。大きい声を出すと長谷部が来るだろ?この状況だと俺がやばい!頼むから叫ばないでくれ」
その言葉にコクコク頷くと、そっと手が離された。
「鶴丸、ごめん…」
「流石に驚いたぜ、早く起きてくれ」
大倶利伽羅さんの腕を抱き締めていたのは夢の中の出来事で、実際には鶴丸の腕を抱き締めていたらしく…
鶴丸はやれやれといった感じで肩を竦めながら立ち上がり部屋を出ていった。
自分の失態に恥ずかしさを覚えながら時計を見ると、もう朝餉の時間を過ぎてしまっている!大倶利伽羅さんが修行に旅立ってから早速寝坊をしてしまった自分が情けなくて、急いで洗面所に向かい身支度を整えた。
広間に着き、鶴丸と並んで少し遅めの朝餉をとる。
ほとんどの刀剣達はもう食べ終えていて、広間には特に予定がない刀達がのんびりしている様子がうかがえた。