刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
伽羅坊に見られていたら間違いなくやばいことになっていたな…
危ない危ない…
考えただけでぶるっと身震いし、俺は思い切りかぶりを振った。
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「伽羅ちゃん…行ってらっしゃい」
「ああ…行ってくる」
「あ、ちょっと待って!」
「…?」
真後ろに鶴丸特製の落とし穴が!大倶利伽羅さんが落ちちゃうっ
慌てて彼の腕を抱き締め引き留める。間に合った!良かった…と思いぱっと見上げたら、すぐ側に麗しのお顔があって心臓がドキッとした。
あぁ…もう、好き。
どうしてそんなにどこもかしこも格好良いの?
そんなバカな事を考えていると、少しだけ微笑んだ大倶利伽羅さんがお顔を近付けてきて…
ときめきながらもそっと目を瞑る。
……あれ?なかなか唇の感触がしない…
「ん…から…ちゃん…?」
うっすら目を開けたら大倶利伽羅さんの姿はなく、目映い朝日が差し込んでいる。それがとても眩しくて反射的に目を瞑った。
あれ?夢だったのか…
そうだ…大倶利伽羅さんは修行に旅立ったじゃない。
無性に瞼が重たくて、抱き締めている何かをそのまま抱き枕のように抱え込みながら意識が途切れかける。
「…ッ!こ、こら、よせ!」