刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
寝返りを打ったことで俺の方に向いた主の浴衣が肌蹴てしまっている。
胸元がチラリと見えて柔らかそうな膨らみと白い胸当てが目に飛び込んできて、慌てて目を逸らすも胸の膨らみとそこに色付く赤い刻印が脳裏に焼き付いて離れない。
伽羅坊との情交の後が色濃く残る胸元…
可愛らしいと思っていた普段の彼女からは想像もつかない色香を纏ったその姿に、不覚にも心臓が激しく脈を打ち奥歯を噛み締めた。
腰を下ろし、ベッドに肘を立て頭を抱え自己嫌悪に陥っていると、グイッと腕を引っ張られる。
「っ、おっと…?」
咄嗟のことでバランスを崩し体ごと倒れ込んでしまい、更には俺の腕が主に抱き締められた。
「…っ」
その瞬間腕から伝わる柔らかな胸の感触と、ふわりと香る主の甘い匂いに混じって感じる伽羅坊の神気。
「ん…から…ちゃん…?」
倒れ込んだことで密着した体から体温が伝わり、またしてもドクンと心臓が高鳴った。
「…ッ!こ、こら、よせ!」
驚きのあまり上擦った声を出しながらなんとか腕を引っこ抜く。
――朝からこりゃあ…驚きだ…
あのまま密着していたら危うく主を組敷くところだったぜ…