刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
国広くんは何も言わずに布を深くかぶり俯いているけど、チラリと見える端正な顔はいわずもがな真っ赤になっていて…その様子に全て見られていたんだと分かり変な汗が噴き出した。
「ごめんね…主ちゃん。声を掛けようにも掛けられなくて…」
「伽羅は主の前であんな顔するんだなっ」
「え、えぇ…、もぅ…やだ…居たなら声掛けてよぅ…恥ずかしいよ……でも…なんで大倶利伽羅さんが出ていく時間がわかったの?皆知ってたの?知らなかったの私だけ…?」
私だけ知らなかったのだとしたらそれはそれでショックだ…と項垂れていると、光忠が微笑みながらゆっくり首を横に振っていた。
「伽羅ちゃんの様子を見てたら、なんとなく分かっちゃったからね…」
「昨晩も俺達が祝杯してるにも関わらずいつの間にかいなくなるんだもんなー。ま、主のとこってバレバレだけどな!」
「伽羅坊は分かりやすいからな、お見通しだぜ!」
伊達の刀達は察知していたらしい。流石だ…
じゃあ国広くんはなんで?と思い彼を見ると、「昨晩…俺のところに修行に出てもいいか、と聞きに来た」と国広くんが言う。
「大倶利伽羅さんが?国広くんに?」
「ああ、初期刀の俺を差し置いて先に行く事を許せ、と言われた。あいつも思うところがあったんだろう」
大倶利伽羅さんがそんな事を言っていたなんて。