刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
「ふ、真っ赤だな…あんたが付けたんだろう…」
「……いじわる」
それからもう一度ぎゅっと抱き締められて、大倶利伽羅さんの腕の中に収まっていたけど…
――審神者として大倶利伽羅さんをちゃんと見送らなくちゃ。
そう思い顔を上げると、柔らかな眼差しの大倶利伽羅さんと目が合い、「行ってくる…」と言われた。穏やかでいて迷いのない真っ直ぐな眼差しだった。
「うん…いってらっしゃい…」
私の言葉に頷いた後、大倶利伽羅さんは後ろを振り返ることなく旅立っていった。
…
…
「行ったか…」
「行っちゃったね…」
「帰ってくんのが楽しみだなー」
「…」
「…ッ!?」
ボーっと大倶利伽羅さんが見えなくなった先を見つめていると、後ろから聞こえる声。
吃驚して振り返るとそこには鶴丸・光忠・貞ちゃん・国広くんがいた。
「え!…い、いつからそこにいたの?」
「伽羅坊ときみが、別れを惜しんでちゅっちゅしてる時からいたぜ?驚いただろ?」
「!!!」
にやにやして答える鶴丸の横で光忠は苦笑していて、貞ちゃんは屈託のない笑みを浮かべている。