刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第36章 嵐の夜
抱き締めている彼女をそっと横たわらせ、大倶利伽羅も隣で横になり小さな体を包み込んだ。
暫く抱き締めながら頭を撫でていたが、ふと一つの疑問が頭を過る。
「…さっき、あんたは廊下で何をしていた?」
大倶利伽羅は強い雷の音で目が覚め、水を飲むため厨に行った。そして夕餉の前に聞こえた彼女の「粟田口」という言葉がどうも引っ掛かっていたため、粟田口部屋の様子を見に行ったのだった。その途中で彼女に会った。
何故あのような時間にあの場所にいたのか…
「あ、…あの時は…、怖くて堪らなくて眠れなかったから短刀ちゃんのところにお邪魔させてもらおうと…」
「あんたまさか…粟田口部屋で寝るつもりだったのか」
「は、はい…そう、なり、ます」
まさか、とは思っていたが彼の予感が的中した。
短刀といえど男だ。姿形は小さいが男だらけのあの部屋に、ましてや一期一振もいたというあの部屋で一晩過ごすつもりだったのか。
それに、一期一振は彼女に想いを寄せている。
そんな相手がいる部屋で?
大倶利伽羅の胸の内にチリッと黒いものが影を落とす。
「何故真っ直ぐ俺のところに来なかった」
「だ、だって…鶴丸もみんないるから行きづらくて…」
「それは粟田口も同じだろう」
「ご、ごめんなさい…」