刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第35章 お風呂での秘め事
心を落ち着かせようとふぅっと一息ついて顔を上げ鏡を見ると、胸元にキスマークが沢山散っているのが目に入ってしまった。
「…っ!」
さっきは急いで拭いていたから気付かなかったけど、恐らくバスタオルの下にも沢山ついている、よね…
大倶利伽羅さんってちゅうするのと、キスマーク付けるの好きな気がする…
赤い痕を見ながらそんなことをぼんやり考えていたら、洗面台の鏡に腰にタオルを巻いただけの大倶利伽羅さんの姿が映り、私の後ろに立った。
鏡越しに見える、いつもよりほんのり赤く色付いた彫刻のような男らしい体に思わず釘付けになってしまう。そして必然と心臓がこれでもかとまたまた騒ぎ出してしまった。
上半身が裸の状態は手入れの時に何度も見てる筈なのに、お風呂上がりの彼は色気に溢れていて目に毒だ!
「貸せ…」
「え!?」
突然後ろにいる大倶利伽羅さんが私の手にあるドライヤーを取り、私を椅子に座らせてスイッチを入れる。ブオオッという音と共に「乾かしてやる」と聞こえ、一瞬聞き間違いかと思ってしまった。
困惑している私の後ろで、大倶利伽羅さんは手際よく私の髪の毛を乾かしていく。