刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第35章 お風呂での秘め事
「わ、私っ上がるね!!」
「駄目だ、まだ身体が冷えているだろう」
「そ、そんな…」
さっさと上がってしまおうと思ったのに、ガシリと抑えられ却下された。兎に角恥ずかしくて情けなくて仕方がないので、なんとか現在のこの状況と話題を変えなければと焦った挙げ句…
泡を掬い上げ大倶利伽羅さんの逞しい両胸に塗り付けてみる。
「ほら、ブラジャー!伽羅ちゃんがブラジャーしてる」
「…」
滑った…
少しでも笑ってくれたら良かったのに…
慌てて今度は握り拳を作った上に泡を乗っける。
「これはな~んだ?」
「…刀装」
「ぶー、アイスクリームでした」
「…」
そして今度は大倶利伽羅さんの手を取り、掌の上に泡を二段重ねる。彼はそれを黙って見つめる。
「これは?」
「…鏡餅」
「ぶー、雪だるまっ」
最後に大倶利伽羅さんの鼻に泡をほんの少しちょんと乗っけると、お返しとばかりに鼻をすりっと擦り合わせて付け返された。そしてそのまま頬に手が添えられそっと唇が重なる。
ペロリと舐められてその舌がぬるりと侵入してきそうになる。
「ま、待ってっ!」
「…ん…待たない…」