刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第35章 お風呂での秘め事
「あんた…さっきは人が変わったようだったな」
感心していると、直ぐ側から低い声が降ってきて…その言葉に目を見開き顔をあげると、金の瞳が間近にあり、心臓が縮こまった。
大倶利伽羅さんは目を少し細めて私の頬に手を添えて、親指の腹で頬をゆっくり撫でながら
「風呂に入ると駄々を捏ね、いつも恥じらうあんたが…俺の目の前で下着を脱いだんだ…」
「…ッ!??」
ヒュ、と息を呑んだ。
そ、そんな破廉恥な事を大倶利伽羅さんの前で自ら…
羞恥で固まっている私に、大倶利伽羅さんはゆっくりと顔を近付けて耳元で更に言葉を続ける。
「挙げ句、そのまま座り込んで寝ていたんだ…それを俺が「やめて!わかったからぁっもうそれ以上言わないでぇっっ!!」」
その後の状況を意図も簡単に想像出来てしまい、余りの醜態に思わず大倶利伽羅さんの言葉を遮った。
どうしようっ、なんたる無様だっっ!光忠の言葉が頭の中でぐるぐるぐるぐる回っている。
大倶利伽羅さんがやたら近いのも、お互い裸なのも、全部が恥ずかしくて仕方がない。
泡風呂のお陰で身体は見えないのは助かる反面、泡のせいで触れる身体がやたらぬるぬるしていて、なんだかとても厭らしく感じた。