刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第35章 お風呂での秘め事
「あんたは酒が弱いんだ。ほどほどにしておけ」
「う、…はい……って伽羅ちゃん…泡の入浴剤入れたの?」
「知るか」
「だって…この泡」
「あんたが入浴剤を入れろと言うから適当に取って入れたまでだ」
知っていたら入れていなかった、とでも言うように大倶利伽羅は答えた。
**********
全身がとても温かくて気持ちが良かった。
何故か炬燵に入ってうとうとしている夢を見ていた。
ピチョン…
ピチョン…
等間隔に鳴る音で意識が覚醒して、目を開ければ浴室と思われる壁が視界に入った。
そして身体が誰かとくっついている…
パッと少し離してその誰かの顔を見ると、そこには大倶利伽羅さんがいた。一瞬何がどーなっているのかわからなくて…目線をさ迷わせた。
そして次第にクリアになっていく思考…
「…っ!!」
何この状況、何この状況~~!!!
目が覚めたら何故かお風呂場で、湯船に浸かってて…しかもしかも!お互い裸で(入浴中だから裸なのは当たり前)一緒に入ってて、大倶利伽羅さんの膝の上で抱っこされている!!
幸い、泡でお互いの恥ずかしい部分は目視出来ないが、予想だにしていないとんでもない事態に、当然のように私の思考はパニックになった。