刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第35章 お風呂での秘め事
特に足が痛いわけでもない事に安堵し、そのまま慎重に腰を下ろす。
抱き上げている彼女の身体は力なく大倶利伽羅にもたれ掛かっていて、柔らかい膨らみが胸板に、お尻が太腿に押しつけられている状態。
とんだ生殺しだ…
「…」
この何とも言えない状況に、温まったらすぐに風呂を出ないと身が持たないと考えていると、彼女の身体がピクリと動いた。
「ん、ぅ………………」
「…起きたのか」
「……あ、……れ……?」
「…」
「え?えええ??」
「耳元でうるさい」
「や、ちょっ、なんで!?ひやぁ」
今までの自分のしたことが記憶にないのか、腕の中で慌てる彼女をガシッと抱き竦める。
どうやら驚きですっかり酔いも覚めてしまったらしかった。
「おいっ危ない!暴れるな」
「なななんでお風呂?それ、に…なんで一緒に…入ってる、の…!?」
「あんたが入ると言ってきかなかったんだ。覚えてないのか?」
「えぇぇ!うそっ……それっ本当??…お、覚えてない…うぅ、恥ずかしすぎる…ご、ごめんなさいぃ…」
顔を赤く染めながら消え入りそうな声で謝る彼女に、大倶利伽羅は再び溜め息をついた。