刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第35章 お風呂での秘め事
「はあーー」
ついつい出てしまった大きな溜め息。
「おい…起きろ」
「…」
その後も数度声を掛けるも目を覚ましそうにない。どう考えてもこのままでいられるわけはなく…
大倶利伽羅は逡巡した後、自身の着ている戦装束を全て脱ぎ捨て風呂場に入った。
そっと彼女を抱き寄せると、己の体に触れる柔らかい素肌の感触に、落ち着きを取り戻していた下半身が気持ちとは裏腹に勝手に反応してしまい舌打ちする。
随分と冷えてしまっている彼女の体。早く湯船の中に入らねばと抱き上げながら、そっと体の泡をシャワーで流した。幸い頭はもう洗ってあるようだったので助かった。そして急ぎ風呂の蓋を開けると…
「な、んだこれは…」
そこには風呂一面に広がる泡、泡、泡。
間違えて洗濯洗剤でも入れてしまったか?と一瞬思ったが、入浴剤と書いてあるパッケージの説明を見ながら手順通りに入れたのをしっかり覚えている。
入浴剤とやらを入れたらお湯は全て泡になるのか…?いや、そんな事よりこれは体に毒ではないのか?
まるで食器を洗っている時のような泡だらけのおかしな光景に、暫く方針状態になる大倶利伽羅。
動揺しながらもその間にもどんどん冷たくなっていく彼女の身体に気付き、仕方なくまず自身の足を湯船にゆっくり入れてみた。