刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第35章 お風呂での秘め事
『慣れ合うつもりはない』と顕現当初から口にし、騒がしい場所があまり得意ではない大倶利伽羅が、審神者である彼女と恋仲になり可愛らしいお店で昼食を取り、手を繋ぎ万屋までも付き合ったあの日…
洗面台の鏡に映った自身の顔は目尻が穏やかに緩んでいた。
相当彼女に絆されているな…
鏡に映った自身の顔を見て、そう思ったのだった。
そして籠の中にある入浴剤を一つ手に取った。大倶利伽羅は入浴剤を使った事がなく勝手もわからないので、パッケージに書いてある説明を簡単に読んだ。
文字を追うごとに彼の眉間にしわが寄っていく。
なんだ…入浴剤というものは随分と面倒臭いものなんだな…
おぼつかないながらも記載されている通りになんとかことを進める。
「今沸かしてるから、少し待て」
部屋に戻り、お風呂が沸く間にコップ1杯の水を汲み彼女に飲ませた。そうこうしている内にお風呂が沸いた電子音が鳴る。
「そら…入るんだろ」
「うん!入るぅ!!伽羅ちゃん優しい!大大大好き~」
途端に笑顔になる彼女。
大倶利伽羅の頬も釣られて少し弛む。
全く彼女の事となると甘いというか、なんというか…