• テキストサイズ

刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第35章 お風呂での秘め事


部屋に着いた後、突然風呂に入ると言い出した彼女に困り果てる大倶利伽羅。制止する彼の言葉も足をバタつかせ駄々を捏ねる彼女の耳には届かないようだ。


「おい、わかったから暴れるなっ」

「え?ほんとっ!?あのねっ脱衣所の籠の中に入ってる入浴剤一つ入れてねっ!絶対だよ?必ずだからねっ」


「はあ……籠の中だな」と溜め息混じりに答え、仕方なく大倶利伽羅は脱衣所に向かった。

入浴剤…

どこかで聞いたことのある言葉だな、と思いながら脱衣所を見渡すと、確かに棚の上に籠がある。

籠の中を見るとそこには色とりどりの袋が沢山入っていた。
何となく身に覚えがあるそれに、ある日の出来事が大倶利伽羅の頭に浮かぶ。

確かこれは…前に万屋に彼女と買い物に行ったときにあいつが買っていた物だ。お湯の色が変わる上に肩凝りにいいとかなんだと言っていたあれか。

――あの時あいつは随分楽しそうにこれを選んでいたな…

彼女が嬉しそうに選ぶ姿を見た日から、彼も入浴剤というものに少なからず興味を持っていた。そしてその時のはしゃぐ彼女の姿を思い出し、自然と大倶利伽羅の口の端が少し持ち上がる。


/ 1260ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp