刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
「彼があんな風に変わってからは、主と他の刀剣の仲もギクシャクしてしまって、この本丸内もずっとどんよりしていたんだ…どうにかしようと僕達もいろいろ話はしていたんだが効果はなくてね」
「だから、あなたが話を出してくれた時は嬉しくて」
「僕たちにとって藁にもすがる思いだったんだよ」
「そんな……まだ力になれたかわかりませんから」
歌仙さんはゆっくり首を振り微笑んだ。そして少し神妙な顔つきに変わった後彼女の方に向き直り座った。
「やはり彼は…主を囲ってしまおうかという考えを、少なからず持っていたようだよ…」
「え…」
「さっき彼らの部屋に行ったときに偶然聞いてしまってね…」
「…」
「もし…燭台切に主の真名を聞かれていたら、主はどうしていた?」
彼女は歌仙の言葉を聞き、目を見開いた後悲痛な顔をして歌仙を見つめ、消え入りそうな声で答えた。私はその様子に口を挟むことなく耳を傾ける。
「聞かれていたら…私…みっちゃんが…どうしてもっていうなら…私はきっと教えていた。勿論その後はどうなるかわかってる…でも、みっちゃんを失うことだけは…それだけは私は耐えられない…
の、之定や皆には勝手だって、無責任だって恨まれるかも知れないけど、でも…私、変わってしまったとしても…最近のみっちゃん、たまにすごく怖いって思うこともあるけど、みっちゃんを愛してるのには変わりないの…他の誰でもない。みっちゃんじゃないと嫌…ぐすっ…ご、ごめんなさっ」