刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
そしてずっと障子の向こうで硬直していた歌仙は話が落ち着いた隙を見て障子を開けた。
他(歌)「すまないね…立ち聞きをするつもりはなかったんだけど…」
他(燭)「歌仙くん…」
他(鶴)「お、気が利くじゃないか!ちょうど小腹が空いてきたところだったんだ!なあ、伽羅坊!」
他(倶)「そうだな…」
他(燭)「歌仙くん…ごめん。僕は君にも迷惑を…」
他(歌)「いいんだよ…」
それからは歌仙が持ってきたお茶菓子を皆で囲みながら話をした。
燭台切は今まで犯してきた自身の過ちを振り返り、深く反省した。
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――長い時間彼女とお話していた。するとトントンと襖を叩く音。振り向くとスッと襖が開き、歌仙さんが茶菓子を持ってにこりと微笑んでいた。
「菓子を持ってきたよ」
「ありがとう之定…」
「燭台切達だが、さっき部屋に菓子を持っていったらよい方向に事は進んでいたよ。きっともう大丈夫だ…良かったね、主」
「え、ほ、ほんと??」
歌仙さんはゆっくり頷いた。そして私に頭を下げた。「今日はわざわざ主のためにお越しいただき、本当に感謝しかありません」と。
「そんな、頭をあげてくださいっ」