刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
他(燭)「ぼ、僕だって…あんな顔させたいわけじゃないよ…」
倶「ならやるべき事はもうわかるだろう!好いた女を悲しませるようなことをするな!あんたが守ってやれないでどうする!」
いつも温厚で口数が少ない大倶利伽羅の行動に皆が驚き釘付けになっている。彼も審神者である彼女と恋仲であるが故、この燭台切の気持ちが痛いほどよくわかった。だからこそ許せなかった。
そしてその言葉は、燭台切の胸に深く深く突き刺さった。
他(燭)「僕は…決して主を悲しませたいわけじゃ…」
倶「ああ…わかっている。俺の知る光忠はそんな奴じゃない」
他(燭)「伽羅ちゃん……ごめん…僕、凄く格好悪い…ね」
倶「謝るべきなのは俺じゃない」
他(燭)「そうだね…」
こちらの燭台切は、大倶利伽羅の行動に感極まり目を潤ませていて、その姿に気付いた大倶利伽羅は面倒臭そうに舌打ちした。
鶴丸は「伽羅坊…見たか?あっちの伽羅坊は熱いな…うちの伽羅坊も恋をしたらああなるのか?慣れ合ってくれるのか?手始めに花街に行ってみるか…」と目をキラキラさせている。
そして向こうの大倶利伽羅はそんな鶴丸に「余計なお世話だ」とヘッドロックをかけている。
そんな向こうの大倶利伽羅の様子に、こちらの燭台切は十分慣れ合っていると思うけどな…と苦笑したのだった。