刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
そこには部屋に着いてからずっと一言も発せず、ただ静かに話を聞いていたこちらの大倶利伽羅が自身を睨み付けている光景が目に飛び込んできた。
他(燭)「え…伽羅ちゃん?な、なんで…」
こちらの大倶利伽羅が向こうの燭台切を殴ったのだ。
大倶利伽羅の突然の行動に、その場にいた3振りは目を見張った。
大倶利伽羅はそんな彼らを気にも止めず、更には頬を抑えながら茫然としている燭台切の胸ぐらを掴み上げる。
倶「おい…さっきから黙って聞いていれば…どうにもならない…だと?」
他(燭)「伽羅ちゃん離して、痛いよ」
倶「ふざけるな…あんたが好いた女だろ、何故信じてやれない!あんたが詰め寄ってるときの彼女の顔を見たか!?あんな顔をさせて何も感じないのかっ!それともあれがあんたが望んだ姿なのか!あんたの覚悟はその程度なのか!」
他(燭)「っ、…」
倶「あんたの主も俺の主と同様に、親元を離れて審神者になったんだろう…付喪神の中にヒトの子がたった一人…せめて恋仲の相手は人であったらどんなに心強いか…だが彼女は刀剣であるあんたを選んだんだ!わかるか、相当な覚悟が必要だ。それなのにあんたはどうだ!一体何をやっている!」