刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
他(燭)「不安で仕方ないんだ…だから見張ってる」
燭「不安って…裏切られた事でもあるのかい?」
こちらの燭台切の言葉に向こうの燭台切は目を見開いた。そして暫く沈黙が続き、向こうの燭台切が少し悲しそうにポツリポツリと言葉にする。
他(燭)「裏切られたことはない…よ。でも…とにかく不安なんだ」
燭「君と彼女は既に体を契っているし何も不安に思うことなんてないんじゃないかな。それに彼女、どうみても君だけが好きって感じに見えたけど…」
他(燭)「わかってるよ!わかってるけどいつか僕から離れていくんじゃないかって不安で仕方ないんだよ!彼女は人だ。僕が好きだと言ってくれたけど、道具である僕とは違って心変わりだってする!もしかしたら僕とこうなったこと自体後悔してるんじゃないかって!
それに、僕といるより人の方が…人との方が幸せになれるんじゃないかって!だけど、頭ではそう思っていても手放すことなんて今更出来ない。彼女が他のやつに笑顔を見せる度に誰にも渡したくない!彼女は僕だけのものだ、って醜い感情が渦巻いて…苦しいんだ!」
向こうの燭台切は息を荒げ、両膝の上で握りこぶしを作り少しその手は震えている。こちらの燭台切はその様子を見て、出来るだけ神経を逆なですることのないように言葉を選びながら話を続ける。