刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
「いつから…どういうきっかけで変わってしまったんですか?」
──彼女は静かに話し始めた。
前に万屋に行ったとき男の店員さんに、同行する刀剣達の隙を見て告白されたのだと。
考えて貰えると嬉しい、と言われそそくさと店の奥へと入っていってしまった店員さん。追いかけようと思ったが、刀剣達が彼女の側に来てしまい行けなかった。
勿論彼女には燭台切さんがいるし、最初からそんな気なんて全くなく断る事は決まっていた。
でも断るにはまたあの万屋に行き、その人に伝えなければならなかった。
「それで、断るつもりでその万屋に行ったの。どうしてもみっちゃんや他の皆に知られたくなかったから一人でこっそりと…そしたら、ちょうどその店員さん休憩中で回りに沢山人がいたから、ここじゃなんだから隣のカフェで話をってことになって…でもそれが間違いだった」
「もしかして…」
「そう、多分想像通り」
「2人でお茶しているところを見られたんですね…」
「そう…、本当に運が悪いよね」
「…どうして一人で行ったりしたんですか」
彼女は歌仙さんが入れてくれたお茶を一口飲み、そのままお茶に視線を落としながらまたゆっくりと口を開く。