刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第9章 ハプニング
パシッと光忠の手を払いのけ、龍の彫られた腕が私の腰にガシッと巻き付いてきた。ホ、ホールドされてしまった。
「あの…光忠、私なら大丈夫だよ…?どうせもう少しここにいようと思ってたから」
「主ちゃん、嫌じゃない?」
「うん…それに大倶利伽羅さん温かい…」
そう言うと、それならいいけど…と光忠はにこりと微笑んで私の隣に腰掛ける。
「みっちゃーん!主~!」
「あ、貞ちゃん!」
「伽羅もいたのか!?って、なんだ?伽羅が主にくっついてる!!」
「そうなんだよ。放そうとしても離れないんだ」
「へえ~!伽羅は主のこと好きなんだなっ!」
満面の笑みを浮かべて貞ちゃんも光忠の隣に座った。
好きって…それはあり得ないな。そもそもちゃんと主として認められているのか、それさえも怪しいというのに。
きっと今は飲みすぎて自分が何してるかわかっていない状態なんだろう。酔いが覚めてからこんな事してたって知ろうものなら、思い切り舌打ちされそうだ…それもそれで悲しいが…
「主ちゃん、今日のことは忘れて、明日から心機一転頑張ろう…って僕が言うのもなんだけど…」
「…うん…考えても仕方ないしね、、もう忘れようって思ってるよ。兼さんは来週一杯、畑当番&トイレ掃除の刑!!」
「そりゃいーーや!」
ケラケラと貞ちゃんが笑った。