刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第9章 ハプニング
どうしたらいいのか分からず、両手を上げ不自然な格好で硬直してしまっていたけど…
膝の上に頭がある状況に自然と手が頭を撫でてしまう。
「…ん、もっと…、なでろ…」
「!!」
どことなく色気のある声に心臓が跳ね上がる。暫く目を見張っていたがそのまま動こうとしない大倶利伽羅さん。
撫でろとそんな珍しいことを本人が言うなんて、恐らくこんな機会は二度とやって来ないだろう。
遠慮なく撫でていると、スゥスゥ…と寝息が聞こえてきた。心臓がキュゥゥン!と締め付けられる。
やばい…普段絶対こんなことしてこない人(刀)に、酔ってるとはいえこんなことされたら…
只でさえ、私は大倶利伽羅さんの事を気になっているというのに…。
この間ちょっと優しくされたからって動揺して、今もこんなにドキドキして…私はなんて単純なんだろう。
そのまま撫でていると、驚いた声を上げながら光忠が近付いてきた。
「え?伽羅ちゃん!?」
大倶利伽羅さんを見てギョッとしている。
「寝てしまったみたいで…」
「相当飲んでたとはいえ、珍しい事になってるね。伽羅ちゃん、部屋で寝よう?ほらっ」
「…うるさい」