刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
それが当たり前なのかも知れないけど…なんか嫌だなぁ。信用してませんから、って言ってるようなものじゃない…。
「ようこそ、お待ちしておりました」
「今日は宜しくお願いします」
出迎えてくれた歌仙さんと挨拶を交わしていると、バタバタと走ってくる彼女の姿が見えた。
「遅くなってしまってごめんなさいっ」
「客人の前でそんなに息を切らして雅じゃないね。廊下は走ってはいけないといつもあれほど「あーもうっ、之定こそお客さんの前でお説教するつもり!?それこそ雅じゃないよね!」…うっ!」
「ふふ…」
うちの本丸でもありそうなやり取りに思わず笑みをこぼしてしまったら、向こうの歌仙さんは顔を赤らめてしまった。
あら、うちの歌仙よりなんか柔らかい感じ??可愛い。聞くと、歌仙さんは彼女の初期刀らしく永久近侍でもあるそうだ。
永久近侍…やっぱりその本丸ごとにルールが違うんだなぁ。
「みっともないところを見せてしまってごめんなさいね、さあ中に入って入って!」
「ありがとうございます。では…お邪魔します」
「…失礼する」
「お邪魔させていただくよ」
「僕はお茶を入れてくるから、主は客人を案内してあげて」
「之定ありがとう」