刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第9章 ハプニング
そして宴も中盤に差し掛かってきた頃、三日月さんは確かめたいことがある、と言って兼さんの隣に座った。
どうしたんだろう、とその様子を静かに眺めていたら三日月さんは「主と湯を共にしたというのはまことか?」と兼さんに問いただしている。一見柔らかな口調だが、その目は決して笑ってはいない。
ブフォーーッッ!!
一瞬動きが止まった兼さんだったが、次の瞬間盛大にお酒を吹き出し、目の前に座っていた獅子王に見事にかかった。
その様子は他の刀剣たちの目に留まることになり、何すんだよ!汚いだろっ!とぶちギレている獅子王をよそに、三日月さんは気にすることもなく更に続ける。
「無理やり押し入った、とも聞いたんだが…そうならば、覚悟は良いな?」
「無理やりっつーか、主が入ってるって知らなくてよぉ…」
二人の近くに座っている御手杵は、え!?まじかぁ~?と興味津々な様子。次第に周りの刀剣達までもが会話に入りだし、和泉守!てめえわざと入っただろ!とヤジが飛んでいる。
「なっ!ちげぇよ!士道に背くことはしね~って!」
なんとも居心地が悪くなってしまった私は、飲んでいる途中のお酒を持ってそっとその場を離れて、執務室前の縁側に腰かけた。
はあ…あの話題勘弁してほしい…