刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第9章 ハプニング
本当に申し訳なさそうに言うので、堀川くんは悪くないから気にしないでと言い、広間に戻ってもらった。
気にしなくて言い、といいつつも裸を見られた後だ。やっぱり広間に行くのは気が引けた。どうしたものかと部屋で佇んでいると、今度はドアの向こうから光忠の声。
「主ちゃん、大丈夫かい?もう宴始まってるけど…」
眉を八の字にして言いにくそうに声をかけてきた光忠。ああ、知ってるんだ…と恥ずかしくなった。
「皆のとこに行くのが恥ずかしい…」
「なんというか…災難だったね…」
「うん…でも…、いつまでもここに籠って快気祝いで開いてくれた宴に参加しないのもよくない、よね…」
「大丈夫だよ、主ちゃん!あの後長谷部くんが半殺しにしてたから、彼きっと記憶なくしてるよ!それに僕が一緒にいてあげるからっ」
光忠が悪い訳じゃないのに一生懸命言うから…なんだかこっちが申し訳ない気持ちになってしまい、気は進まないが一緒に広間に向かった。
広間に着くとほとんどの刀剣が集まっていた。堀川くんがこっちに気付いて申し訳なさそうにペコリと頭を下げていたが、兼さんはまだ来ていないようだ。
「あるじ~!遅かったじゃないか~!」
「次郎、飲みすぎですよ、まったく仕方ありませんね…」
いつもの事だが、次郎ちゃんはもう出来上がっていて、隣にいる太郎さんが止めている。
暫くすると兼さんが長谷部と共に入ってきた。
とても疲れている様子の兼さん。
あの様子は…手合わせという名の制裁を受けたのだろう。