刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
ふん、と鼻を鳴らされて、すぐさまガリガリと飴を噛み砕く音が聞こえる。
「これで眠れるな」
「~~っ」
「時間になったら起こしてやる」
そう言って大倶利伽羅さんは、再び私の目の上に大きな掌を乗せた。
革手袋越しにじわじわと彼の体温が伝わってくる。まるでホットアイマスクのよう。
膝は固くてあまり寝心地がいいわけではなかったけれど、眠たくて仕方がなかった私は、シトシトと降る雨の音と大倶利伽羅さんの掌からじんわりと伝わる温もりの心地良さが相まって、すぐに眠りに落ちていった。
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※ここから先、暫く視点がころころ変わりますので表記いれます。
(大倶利伽羅side)
寝たか…
膝枕なんてがらではないが、こうでもしないとこいつは寝なかっただろう。
…昨晩はほとんど寝かせてやれなかった。それに、こいつは気付いていないようだが、俺の神気がこいつの体内に馴染むのに、恐らく霊力や体力を必要以上に消耗している。その状態で鍛刀もした。やたら眠いのはそれが原因だ。
どう考えても俺の責任であることには間違いない。
つい、昨晩のことが頭に過る。
甘い声を上げながらよがり、目を潤ませ己にすがる彼女の姿…