刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
「でも」と言いかけたら、眉間にしわを寄せてまだ何かあるのかという顔をされたので、大人しくした。すると目に大倶利伽羅さんの温かい手が乗せられ、視界が遮られる。
真っ暗の中、雨の音だけが耳に入りとても心地よくて。
だから大倶利伽羅さんは縁側に座ったのかなぁ、なんて考えていると少し不機嫌な色を含んだ大倶利伽羅さんの声が…
「…あんた」
「な、なに?」
「何か食べてるのか?」
「…」
内緒で口にしていたハッカ飴。なくなるまでばれないようにそっと舐めていたのにさすが目ざとい、もうばれてしまった。
「口を開けろ」
「え、なんで!?」
「…」
すぐに口を開けない私の顎を大倶利伽羅さんはぐっと掴んだ。そして大倶利伽羅さんの唇が落ちてくる。こ、こんなところで何を?と思ったときにはもう遅い。がぶりと私の唇が彼のそれに覆われる。
「…っ」
突拍子もない大倶利伽羅さんの行動に困惑しながらも、勝手知ったる何とやら、するりと入ってくる彼の舌を簡単に受け入れてしまっている。
「ふ、…んっ…んん??」
そして離れた時には、口の中にあったハッカ飴がなくなっていた。
「あっ!!」