刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
何を?と思ったけど、何の事かわかってしまった。大倶利伽羅さんの瞳が、どこか濡れたように熱を帯びていて、何かを求めるように私を見つめているから。
大倶利伽羅さんは口数が少ない分、目がとても雄弁だと思う。
無言で見つめてくる金に、自然と吐息が漏れた。
「…嫌か」
「…い、嫌じゃない」
金色の瞳が野生の獣のように、爛々と光り始める。
欲情を隠さない表情に、ギュンっと血が駆け巡り一気に体が熱くなった。
「…あっ」
待ったなしで大倶利伽羅さんに詰め寄られ、腰を引き寄せられる。逞しい腕とがっしりとした胸板の感触にドキリとときめいた直後、顎をすくわれ唇を奪われた。
「…っ」
ちゅ、ちゅ、と暫く啄んでいた唇が次第に熱を帯びて深くなり、遠慮のない口付けに変わっていく。重なる唇の隙間から、どちらのものかわからない熱い吐息が零れ絡み合う。
いつものことだが大倶利伽羅さんの口付けに、私の心はすぐに平静を保てなくなってしまっていた。
「…ん、…ふ…ぁ」
熱烈に舌を絡ませ、その一方でパジャマの釦に手をかけ一つ一つ外していく。待ちくたびれたとでもいうように、その手つきは性急だった。