刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
「み、三日月さん…」
「はっはっはっ、まあ俺としてはいつでも慰めてやる準備は出来ているぞ?」
「…慰める??」
大倶利伽羅さんが居なくて寂しいときとか、あるいは喧嘩した時とかに慰めてやるって言ってくれてるのかな?と思ったけど、おじいちゃんが言う慰めるの意味は違った…。
「俺が付け入る隙はないのか?」
「…ないです」
「随分とはっきりとした物言いだな、はっはっ」
「案ずるな」、三日月さんが言ってくれた言葉は私にとってとてつもなく安心する言葉だった。
「私…大倶利伽羅さんが好きで、彼を知る度にもっと好きになって。自分がどんどん欲張りになっていくようで怖い…です」
大倶利伽羅さんが隣に居てくれるだけで何もいらない、それ以外は何も望まないと思っていたのに。なのに、彼を知る度、彼の温もりを感じる度、どんどん欲張りになってしまう。
このまま溺れて周りが見えなくなっちゃうんじゃないか…大倶利伽羅さんを縛り付けてしまうんじゃないか…そんな不安にさえ駆られる。
「主は余程あやつに惚れておるようだなあ。なに、心配はいらん。神の独占欲と嫉妬は人よりも存外大きいのを知ってるか?主」
「そうなんです、か?」