刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
――そして
気が付いたら朝になっていた。
大倶利伽羅さんと一緒に寝るとよく眠れる気がする。
そして大倶利伽羅さんが出陣で留守にしている間、三日月さんが執務室に訪れていた。
「たまに主とゆっくり話しながら茶を飲むのも悪くないと思ってな」
そう言いながらも三日月さんは私がまだ手を付けていない書類をひょいっと取って記入してくれている。あ、と思い三日月さんを見るともう一つの綺麗な三日月が弧を描いた。
明らかに手伝いに来てくれたみたいだ。
「三日月さん、ありがとうございます」
「暇だったからな」
そしてあと少しで書類が片付くというところで、三日月さんは手を止めこちらを見た。
「主よ、大倶利伽羅とはどうだ?」
「え…急にどうしたんですか?」
「いやいや、俺も伊達に年を食っておらん。何か悩み事があるならば話を聞いてやろうと思ってな。昨晩も宴を途中で抜けておったであろう?……主は一人で抱え込むところがあるからなあ。なに、何もないならそれでいいんだが」
ほけほけと私が淹れたお茶を啜りながら「どうだ?」と首を傾げている。さすが天下五剣。そこにいるだけで絵になる。本当に綺麗。