刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
少し緊張しながらも彼の隣にお邪魔すると、直ぐに抱き寄せられる。そして「おやすみ」と、優しい声が降ってきて額にキスをされた。
「うん、おやすみなさい」
慣れているとはいえ気恥ずかしいのと、少し長い赤い髪の毛が頬に当たってくすぐったくて…モゾモゾと体を反転させると、真後ろから彼が微かにフッと微笑み、吐息がかかった。
例えベッドがダブルベッドで広かったとしても、こうやってくっついて寝るから広かろうが狭かろうが関係ない…そう思って大倶利伽羅さんは問題ないって言ったのかなぁ。
近侍の間だけでなく、ずっとこうして一緒に寝れたらもっと幸せだろうなぁ…
と思うけど…夜は大倶利伽羅さんと寝たいから近侍は待機しなくていい、なんてそんな恥ずかしい事皆に絶対言えないので諦めるしかないのだけど…
なんて考えながら私の体に絡み付いている大倶利伽羅さんの腕の龍を一頻り触ってから、龍を伝い大きな掌に辿り着く。
一回り大きな掌にきゅっと握られ、妙に厭らしい手つきで指を絡められてドキリとするも…
背中に感じる温もりが気持ち良くて…
もう一度目を瞑った。