刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
「女は恋をすると綺麗になるのさ!だから、ねぇ?アタシにも恋をさせとくれよ~」
「や、やめなさいっ!」
楽しそうに話す次郎ちゃんと石切丸さんの会話がろくに耳に入ってこない。
「あんた知らなかったのかい?こう見えてもアタシ達は末席といえども神だ。体を繋げたら分かっちまうってもんなのさっ」
「そうだよ、大倶利伽羅と主の縁が繋がったということもね」
「…ッ!!」
「ま、そこまで分かるのは神刀組だけだけどね。…だけどあんた達こうなるまで長かったよねえ~、アタシにしてみりゃやっとかって話だよ」
次郎ちゃんはお酒をぐびぐび飲みながらめでたいめでたいと言って笑っている。
ふと、『大倶利伽羅に無理をさせられたのではないですか』長谷部の言葉が頭に過った。
あぁ、そういうことか…
納得がいった…
朝、歌仙達がいつもと違ってぎこちなかったのも、長谷部の様子がどこかよそよそしくて私の体を気遣っていたのも…
鶴丸がにやついていたのも!!!
光忠が倒れたのもひょっとして…
そもそもキスマークが見えたとかそんな事は関係なく筒抜けだったってわけだ。
刀剣全員に私達、昨晩初えっちしましたってばれていたって事になる…。
そんな状況とは露知らず、二人仲良く並んで朝餉を食べていた。
なんということだろう…
いくらなんでも恥ずかしすぎる…