刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
そして前に次郎ちゃんが、演練で燭台切さんと審神者さんを見て恋仲だと見破っていたのを思い出した。
神気に包まれているって確か言ってた…
体を契ったから、相手の神気を纏っている、そういう意味だったんだ。
全てを理解してしまった。
光忠が大倶利伽羅さんに伝えないと、って言っていたのはこの事だったのか…
理解してしまったら、不思議と今まで気にならなかった皆の視線が…
「…っ」
とてもじゃないけど恥ずかしさに耐えられなくなり、そのまま怒濤のごとく広間を後にした。大倶利伽羅さんの私を呼ぶ声がしたけど、振り返ることも出来なかった。
そして自室に籠っていると
「おい……入るぞ」
大倶利伽羅さんが、静かに部屋に入ってきた。
そして私の前に腰を下ろしポツリと呟く。
「後悔、しているか…」
その言葉にハッとし、大倶利伽羅さんを見ると金の瞳が悲しげにゆらゆら揺れていた。その様子にギュっと胸が締め付けられる。
「こ、後悔するわけないっ!ただ、皆に知られてると思うとっ」
「…次郎太刀が言っていたこと、あんたに伝えていなくて悪かった」
「…」