刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
いつの間にか次郎ちゃんがお酒を煽りながら隣に座っていた。
「ち、違うっ!か、伽羅ちゃん!!もしかして…皆に言ったの?」
「……俺は何も言っていない」
「そう、そうだよ、ね…でもなんで…?」
大倶利伽羅さんは言いふらすようなタイプじゃないのはよくわかっているのに、動揺してしまってつい聞いてしまった。
恥ずかしさで狼狽していると、次郎ちゃんが私のグラスにお酒を注いできた。
「何を慌ててるのか知らないけどさ、大倶利伽羅の神気をそれだけ纏ってるんだ。嫌でもあんた達が体を契ったってわかっちまうってもんだよ。アタシからもお祝いさせとくれよ!ほら、飲んで飲んで!!」
「へ…?」
「主、私からも注がせてもらうよ」
次郎ちゃんが注いだお酒のグラスを飲め飲めと目の前に差し出されていると、石切丸さんが正面に座ってきて「今日ほど目出度い日はないんじゃないかな」とニコニコしている。
「大倶利伽羅さんの…神気…」
「それにしても…主は最近本当に綺麗になったね。これも恋をしているからかな、それとも…これを言うのは少し悔しい気がするけど、大倶利伽羅の影響…なのかな」