刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
「え?光忠なんの事?」
私が聞くと光忠はキョトンとした顔をして、大倶利伽羅さんの方に視線を合わせた。
「え…?伽羅ちゃんもしかして、…主ちゃんに伝えてないのかい?」
「…」
「…だめだよ伽羅ちゃん、ちゃんと伝えないと。まあ…とにかく、主ちゃん、伽羅ちゃんおめでとう」
お皿にこれでもかとおかずを乗っけられた後、頬を赤く染め満面の笑みを作りながら、去り際に大倶利伽羅さんの肩をポンと叩き光忠は厨に戻って行ってしまった。
なに?伝えてないって…
それにお祝いとか、おめでとうって…
今日の朝からの出来事に沿って記憶を辿っていくと、私の中で一つの考えが浮上する。
ま、まさか…昨晩のこととか?
大倶利伽羅さんと、え、えっちした事をおめでとうって言われてる…?
そんな、まさか…
でももしかして、もしかしたら…手合せの後に乱ちゃんが言ってきた『おめでとう』もその事だったり…?
「…っ!!」
そういう理由なら光忠が顔を赤くしていたのも納得がいく。その途端、一気に体中の血が湧き上がった。
「か、か、か、…」
「ん?山伏のものまねかい?」