刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
その後、嫌がる大倶利伽羅さんの背中を押しながらなんとか広間に着き、前田くんの極修行帰還祝いの宴が開かれた。
いつもの宴より明らかに豪勢なお料理。
それに、ご飯もお赤飯だった。
この本丸初の極だもん、そりゃ豪勢にしなきゃだよね!と色んな刀剣達に囲まれて、『どんな修行をしたの?』『前の主には会ったのか?』とか質問攻めにあっている前田くんを、美味しいおかずをつまみながら微笑ましく眺めていた。
すると光忠がニコニコしながら私の方に歩み寄ってきて前に座る。そして私のお皿を手に取り、おかずを次々に乗せていく。
海老と蓮根と茄子の天ぷらをひとつずつに、ローストビーフ、そしてほうれん草とポテトのキッシュ等々…
「み、光忠、そんなに食べられないよ…」
「ふふ、今日はね、前田くんのお祝いも勿論なんだけど、主ちゃんと伽羅ちゃんのお祝いも含まれているんだよ。だから僕も腕によりをかけて作ったんだ。遠慮せずに二人とも沢山食べてよね!」
「は?私と大倶利伽羅さんのお祝いって?」
意味が分からなくて、隣の大倶利伽羅さんを見ると、「光忠…やめろと言ったはずだ」と光忠をキッと睨みつけている。