刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
「あ、あれ?光忠?……私寝ちゃってた…?」
「そうだね、二人仲良く…ね」
隣を見ると、同じく今目を覚ましたばかりの大倶利伽羅さん。
「二人とも見当たらないから随分探したよ。もう宴が始まる時間だけどまさか、手合わせの後からずっとここにいたのかい?」
「え?もうそんな時間!?」
光忠は隣でくあっとあくびをしている大倶利伽羅さんを見て、「駄目だよ伽羅ちゃん、鍛練もいいけどあんまり無理しちゃ」と相変わらずの優しい音色で話しかけている。
朝餉後に倒れていた光忠だけど、大倶利伽羅さんの言っていた通り大丈夫だったんだ…と、何ともなさそうな姿に胸を撫で下ろした。
「宴か…俺はいい」
「またそんなこと言って…今日は絶対参加しなきゃ駄目だからね!主ちゃん、僕はやることがあるから先に行くけど、伽羅ちゃんを頼んだよ!」
「わかった、光忠ありがとう」
大倶利伽羅さんを見るとまだ眠そうにしている。同田貫さんから濡れ衣を着せられて被害を被ったせいだ。私のせいで…
「ごめんね…」
「……何がだ」
「私のせいで同田貫さんに勘違いされて、鍛練付き合わされたんだよね、本当にごめんね…」
「別に…あんたのせいじゃない」
「間違いなく私のせいです…」
「場をわきまえなかった俺が悪い」
気にするな、と言いながら大倶利伽羅さんが私の頭をくしゃりと撫でた。