刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
「ど、同田貫さんっ、大倶利伽羅さんは無事なんですか!?」
「けっ、あんたもお人好しだなっ」
「だから誤解なんです!酷いことなんてされてませんから!!」
「あ゙あ゙?何もされてなくてあんな風になるかってんだ!あんたも往生際が悪ぃな、まあでもあいつ、いい根性してやがったぜ」
同田貫さんは苛立ちを含んだ口調のままで、どうにも信じてくれない。このまま誤解されたままでは大倶利伽羅さんがあまりに不憫だ。
「違うんです!!鍛練場で大倶利伽羅さんとち、ちゅうしてたら同田貫さんの声が聞こえて、恥ずかしくてっ逃げちゃっただけなんです!!」
「ちゅう…だあ?」
同田貫さんのような人から『ちゅう』という可愛らしい単語が発せられるのがとても違和感があり、必要以上に照れてしまい思わず顔を隠す。
「…」
「…」
なんとも気まずい空気が私達を包み込む。
おずおずと顔を覆っている指の隙間から同田貫さんを見ると、その顔は真っ赤になっていた。予想外の反応にさらに羞恥心を煽られる。
その様子からなんとか誤解は解けたことはわかったが…当然その場にいられなくなり固まっている同田貫さんを置き去りにし、急ぎ鍛練場に向かった。