刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
火照ってしまった身体を鎮めるために、大倶利伽羅さんが戻ってくるまで途中になっていた書類に目を通していたけど…
一向に戻ってこない。
もう1時間以上経つ。いくらなんでもおかしい。
もしかしたら突き飛ばしたことに気を悪くしたのだろうか…とも思ったけど、彼はそんな事で怒ったりしない。
ぶっきらぼうだけど心根はとても優しくて穏やかなのは、十分すぎる程知っている。
だとしたら…
まだ鍛練しているのだろうか…
あまりに戻ってこないので少し心配になり再び鍛練場へと足を向かわせた。
とぼとぼと廊下を歩いていると、先の方から同田貫さんの姿。
確か彼は兼さんとの会話では鍛練すると言っていたはず…もしかしたら大倶利伽羅さんがあの後どこに行ったのか知っているかもしれない。
「あ、同田貫さん、大倶利伽羅さん見かけませんでした?」
同田貫さんは私の問いかけに呆れたようにこちらを見る。
なぜそんな顔をされなければならないのか分からず、つい眉間にしわを寄せてしまった。
「あんたも物好きだな…酷えことされたってのに、まだあいつの所に行くつもりか?」
「は?酷いこと…?」