刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
やっと終わった時には日が沈む頃で、鍛練場も夕日によってオレンジの光に包まれていた。大倶利伽羅さんの汗がキラキラと光っていてとても眩しくて綺麗だ。
そっと大倶利伽羅さんのこめかみから流れる汗をタオルで拭っていたら、何となく自分も挑戦したくなった。
「よしっ!私も腕立てしてみる!」
「あんたが、か…?」
「え、何その言い方!これでも結構出来るんだから!」
「…そうか」
何故か大倶利伽羅さんは面白がっているように口角が上がっている。こやつめ…端から出来ないと思っているな?
見てろよ…私だって!と思いながら腕立ての体勢をとる。
…
…
「む、無理ぃ……はあっ……ん゛っ…もうあがら…っああ゛あ゙っ」
「…」
3回目の腕立てでもうこの体たらく…プルプルと腕が震えて少し腕が曲がっている状態のまま止まっている。
そんな私の姿を見て大倶利伽羅さんは口元を抑え肩を震わせている。
これ以上は無理でベシャリと体が床に密着した。
「もうやだっ…腕が怠いっ……」
「あんた面白いな…」
「こっ、これでも必死なんだからっ」
昔はもう少し出来たはずなのに、いつの間にか全然出来なくなっていてこれではダメだ、と猛省した。