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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第34章 神気


大倶利伽羅さんが勝ったから、恋人である私におめでとうって言ってくれたのかなぁ。なんか照れるな…


「大倶利伽羅さんもお疲れ様。か、格好良かった…」


いつの間にか鍛練場は大倶利伽羅さんと私の二人だけになっていたので思わず口にしてしまった。
シィンと静まり返っている鍛練場に大倶利伽羅さんの低い声が響き渡る。


「…勝てるのは今だけだ。あいつが持て余している力を自分の物にしたとき、今の俺では相手にならないだろう」

「そお……?」

「少し…付き合え」

「え?」


大倶利伽羅さんは学ランを勢いよく脱ぎ捨て、腕立ての姿勢を取った後「上に乗れ」と顎でクイッと合図した。乗れ?って背中に??
突然の事に困惑していると「早くしろ」と彼の声。


「は、はいっ」


言われるがままに背中に乗ると、私を上に乗っけたまま大倶利伽羅さんは腕立てを始めた。グラリと揺れ、咄嗟に彼の背中に手をおきバランスを取る。

私を乗っけたまま腕立て…
凄すぎる…


 …

 …


「十五…十六………ハアッ………サンジュウ…ッ!」


30まで数えたところで大倶利伽羅さんの動きが止まったが、その後も彼は色々な鍛練を続けた。私はといえば上に乗ること以外はそうそうお手伝い出来ることもなく、それをずっと静かに眺めていた。


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