刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
すると、前田くんがこちらの方に近付いてきて、突然隣にいる大倶利伽羅さんの目の前に立った。大倶利伽羅さんはピクリと眉を動かす。
「大倶利伽羅さん、手合わせお願いできますか」
「…」
「力が漲ってますね、僕には分かります」
前田くんが大倶利伽羅さんに手合わせをお願いしたのは何故だかわからないけど、大倶利伽羅さんは「…ふん」と鼻を鳴らした後、壁に掛けてある打刀の木刀を手にした。
二人が互いに木刀を構えた瞬間、その場の空気が変わり、ざわついていた鍛練場が静まり返る。
凄い…
二人の気迫が凄いです…
そして、大倶利伽羅さんが格好良いです…
どちらが先に動くのか、と目を見張っていたら先に仕掛けたのは前田くんだった。
あっという間に宙を舞い、大倶利伽羅さんの頭上から木刀を振り下ろす。
…ガキンッ!!!
思わず目を瞑ってしまったが、場内に木刀のぶつかり合う音が鳴り響き、大倶利伽羅さんが受け止めたのだとわかった。
「…見え見えだ」
「流石にそう簡単にはいきませんねっ!」
前田くんが素早く身を翻し、木刀を構え直す。
今度は大倶利伽羅さんが木刀を振りかざし、前田くんが受け止める。