刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
「主君も、お元気そうで何よりです…」
「前田くんも…無事戻ってきてくれて有難う…極めたとはいえ、その力を使いこなすまでのこれからが本当に大変だと思います。一緒に頑張ろうね」
「はい、日々精進致します!」
『どれくらい強くなったのか見せてよ!』
粟田口の皆にそう言われて、前田くんは短刀ちゃん達に囲まれながら早速手合わせをしに行く事に。
手合わせする姿を私も見たくて大倶利伽羅さんと共に鍛錬場まで足を運んだ。
カン カーン
ガッ
木刀の打ち合う音が鍛錬場で響き渡る。
前田くんの動きが速い…
まだ少しぎこちない部分はあるけれど、私でも分かるくらいに違いを感じる。隣にいる大倶利伽羅さんはそんな彼の姿をじっと真剣に見つめていた。
とっくに彼もカンストしている身だ。きっと大倶利伽羅さんも修行に行きたいんだろう、真っ直ぐ前田くんを見据える彼の表情からそう思えた。
「すごいよ!やっぱり極める前とは全然違うね!」
前田くんの相手をしていた乱ちゃんが、荒い呼吸をしながら悔しそうに言う。でもどこか嬉しそうなのは兄弟の成長が誇らしいんだろうな。