刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
長谷部にはキスマークを見られた訳じゃなかったんだ…。そんな疲れてるように見えるかなぁ。
だからって大倶利伽羅さんに悪態をつくなんて…
少しムッとしながら白和えに手を付けていると、何やら視線を感じた。見ると今度は鶴丸がうんうんと頷きながらニヤニヤしている。
な、なんなの…
隣の大倶利伽羅さんを見ると、無言でご飯を食べている。それに他の刀剣達も普段と変わらない様子だし、ここに来る時に廊下で会った国広くんも普段通りだった。
鶴丸の事は気にしないようにしてご飯を食べ終え、広間を出て廊下を歩いていると、広間の方から「キエェェアァ!」と長谷部らしからぬ叫び声…
「は?ちょっ、なに!?…今の同田貫さんみたいな雄叫び!!長谷部だよね?なんかあったのかなっ、ねぇっ、大倶利伽羅さん!広間戻った方がっ」
あんな声出すなんて尋常じゃない!焦り大倶利伽羅さんの学ランを掴み揺さぶるも、大倶利伽羅さんははあ、と溜め息を吐いた。
「気にするな…今はそっとしておいてやれ」
「え!だってっさっきご飯食べてる時もいつもと違って様子が変だったし、やっぱり何かあったんじゃっ…」
「こうなることは分かっていた。いいから放っておけ」
こうなることは分かっていた…?
彼の言葉に目を瞬く。